今回紹介する本は武田友紀『「気づきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』です。
HSPの本はエレイン・N・アーロン『些細なことにも動揺してしまうあなたへ』、イルセ・サン『鈍感な世界に生きる繊細な人々』が代表するものです。
日本のHSPカウンセラー武田友紀さんが書いた『「気づきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる「繊細さん」の本』はとてもわかりやすいです。また、読みやすいので1日で読み終えることもできます。
なかでも、感覚が鋭い繊細さんが、過ごしやすくなるための対処法が五感別に書いてあるのがとてもありがたかったです。
「繊細さん」とはなんだろう?と思われるかもしれません。
世の中で5人に1人はいると言われているHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と呼ばれる人たちです。
HSPと分類されると「それって病気なのかな……?」「わたしもHSPだったらどうしよう」と思われるかもしれません。
しかし、HSPとは病気ではなく特性であり、その特性をよく知り、慣れていけば、毎日の生活をさらに充実したものにすることができます。
例えば、毎日の生活のなかで、他の人よりも疲れやすいことはないでしょうか。
同じ職場で、そんなに仕事量も変わらない同僚と比べると、自分はなぜか疲れているように感じる。
それは自分の能力がないわけではなく、他の人よりも些細なことによく気が付くからです。
というのも、仕事をしていて、「電話がなったらすぐ出ないといけない気分になる」、「相手の気持ちを考えて気を使って仕事をする」など、
四方八方に気を配り余計疲れるのです。
さらには、道で通り過ぎた人のバックの模様までなぜか目に入ってしまうということもあるかもしれません。
これらあわせて、繊細さんは他の人よりも感覚が鋭いので、入ってくる情報量が多いのです。
情報量が多いということは、それだけ自分自身のキャパを超えるのが早くなってしまうので、すぐ疲れます。
ここまで聞くと、「なんだ繊細さんって損なことばかりじゃん」と思うかもしれませんが
「この上司にはこの言い方で説明したほうが印象が良いな」と、相手の気持ちを想像できるなど、良い面も多くあります。
良いものを受け取る力が強いので、幸せを感じることも上手にできます。
わたし自身も、小学生の頃から生きづらさを感じていて、他にもいろいろな要因があるかもしれないけれど、それがHSPに関係しているということを知りました。
最初はとまどったけれど、慣れていくうちに、その感性豊かな自分によって人生を楽しめるようになり、世界がひらけました。
なので、今回は自身もHSPである井上あやめが日々感じる、繊細さんがよりよく生きる方法をお伝えします。
- 運動をする
- 周りに自分のことを話せるようになる
- 適当を覚える
運動をする
まず最初に運動することです。
このことはわたしが読んだことがある、専門家が書いた何冊かの本にものっていましたが、
適度な運動をすると、生活習慣病にかかるリスクが減り、平均寿命ものびるということが調査によってわかっています。
また、痛みや悲しみを感じる脳のある部分が反応しづらくなり、ドーパミンが出やすくなるということも聞いたことがあります。
あいまいな表現で書いてしまいましたが、
わたし自身がそれを実感しています。
なによりもまず、社会人になってから運動を再開したら、単純に体力がつきました。
また、仕事でストレスのかかることがあっても、運動をしたら次の日には「まあ、いっか」と仕事に行っている自分がいました。
最初は運動をすること自体が疲れるかもしれないけれど、
適度に続けていけば自分のものにできます。
周りに自分のことを話せるようになる
職場で同僚、上司と気軽に話せるようになると、とても仕事がしやすくなります。
業務の些細なことをいつも話しているような延長線上で聞けたり、人間関係で悩んでいてもさっと伝えられたりします。
また自分自身のかっこわるい部分も、意外と話してしまうと、人付き合いがしやすくなります。
プライベートでは、家族や恋人になんでも話せる関係があるととても楽です。
適当を覚える
これは人によっては難しいかもしれませんが、
繊細さんは特にできる限り適度に仕事をすることが大切です。
適当とは、だらだらとするという意味ではなく、適度にという意味です。
繊細さんはよく気付くので、さまざまなことができるし、してしまいたくなります。
しかし、その特性を理解し、自分自身である程度線引きをしていかないと疲れてしまいます。
30分たったら水を飲むとか、休憩するなどです。
業務のスケジュールを組むなども効果的です。
本書には「電話は3回に1回でる」や、「ぼーっとする」、なかには「黒縁眼鏡をかける」などもありました。
この本の著者はHSPのカウンセラーで自身もHSPです。
このブログの運営者もHSPで心理学系(人間科学)の4年生の大学をでています。
体育会系の部活に入っていた高校生の時にそのことに気づき、15年間、HSPと向き合い、上手に過ごす生き方を模索してきました。
今もし自分自身の繊細さで悩んでいるかたがいらっしゃったら自分自身が安心できる場所を作ったり、そこに居ることをしていただきたいです。
それはゆったり過ごせる家のなかであったり、なんでも話せ、心を許せるパートナーであったりすると思います。
そして、掃除をしたり、本を読んだり、大切なひとと幸せな時間を過ごして、毎日の生活を大切にしていただきたいです。