先日、美術館に展覧会を見に行きました。
美術館に通いはじめたばかりのころ、私はいつも思っていました。
「美術作品を見るのはいいけど、感想の持ち方がわからない……」
自分にしかできない感想の持ち方ってなんだろう。
学生時代に美術の歴史などを学んでいたわけではなく、知識も少ない方がほとんどだと思います。
せっかく美術館に来たのだから、なにかお土産を持って帰りたい。
ただ美術作品を見て帰るだけではなく自分のなかに残るものを得られたら、特別な日となるでしょう。
これから自分にしかできない展覧会の感想の持ち方を伝えます。
- 大学時代の専門分野を思い出す
- 他の人と違う視点から作品群をみる
- どのように業務に活かせそうか考える
- 作者の気質を思い描く
大学時代の専門分野を思い出す
中学、高校生の時に興味のあったことや、大学の学科は何だったかを思い出す。
専門として学んだことを思い起こし、それをたどってみる。
その興味のあったことや、専門分野からの視点から、作品を見てみると新しい発想が生まれてきます。
他の人と違う視点から作品をみる
美術の知識がないならば、どのようなことが自分には言えるのかを考えます。
この文章の執筆者井上あやめも最初そうでした。
しかし、ある写真家の展覧会を見て、その人がどんな人物だったのかを想像したことがありました。
横のパネルだったり、その人が書いた文章を読み、その展覧会を見て、写真家がどんなひとだったのだろうとイメージができたことがありました。
美術やその歴史の知識はないけれど、心理学の知識はありました。
話している相手に共感することは、日ごろの生活からも得意でした。
この体験から、美術作品を見ることが1000倍楽しくなりました。
美大出身の方なら、絵の描き方から見るかもしれません。
絵ではなく彫刻に興味のある方なら、その展覧会にあった絵ではなく彫刻に視点がいきます。
他の人とは違う、自分にしかない視点で展覧会を見ることも醍醐味のひとつです。
どのように業務に活かせそうか考える
仕事をされている方だったら、どのように業務に活かせそうか考えるのも良いかもしれません。
例えば、展覧会である画家の生涯も知れたとします。その生き方や人柄なども垣間見えます。
その画家は、たとえ島流しにあったとしても、そのコミュニケーション能力で置かれた場所でなんとかやってきたのがわかりました。
その人の発想の転換のうまさを仕事に活かしたいと思うこともあるのではないでしょうか。
作者の気質を思い描く
美術史のなかで有名な画家だったら、たくさんの情報が展覧会にあります。
その情報を得るなかで、
どのような絵を書くのか、どんな顔をしているか(その作者の自画像があれば見てみる)、その作者の性格はどうか、どのような生まれだったのか、その人が生きた時代背景はどのようだったのか、それは絵にどう影響しているか、異性に対してどのようなイメージを持っていたのか、夫婦観はどうか、戦争をどう描いているのか、指示していた哲学者などはいたか
など様々な分野から考えていくと、その人となりが見えてきます。
わからないことがあったら、インターネットで検索すると簡単なことは知ることができます。
関心があることから絵を紐解いていくと自分自身なりのイメージが湧いてくると思います。
前述した通り、この記事を執筆者も、美術館に行き始めたばかりのころは、どう観覧していいかわかりませんでした。
しかし、美術好きな友達と意見をかわすうちに、どのように自分の考えを伝えていけばいいかを学びました。
最初は簡単なことを伝えるだけで良いと思います。
何度も試すうちに、自分なりの感想が生まれるのです。
美術館は静かで、その空間にいる人もなんだか知的な人ばかりいるように感じます。
その空間で1時間程、個性的だったり、おだやかな絵を見ると、感性がみがかれた気分になります。
なにも考えないで見れば、なんだか良い時間だったなで終わりますが、
自分にコスパの良いお土産を持たせる気分で、美術館で展覧会を見た際は、自分だけの感想を持って帰ってみるのも良いかもしれません。
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