会話をする時に、聴く7割話す3割が良いというのはうっすらと知っていました。
なので、コミュニケーションを取る時は、なるべく聴くことを意識していたつもりでした。傾聴を意識して会話をしてはいましたが、実際にどういうものかがわかりませんでした。
例えば、相手の話を聴けてはいるけれど、そして、理解したいとも思っているけれど、相手の話していることがよくわからない時はどうしたらいいのかなどです。
つまり、傾聴の全体像が見えていなかったのです。しかし、岩松正史さんの「心理学に学ぶ鏡の傾聴」を読み、それがわかりました。
相手の話を聴けてはいるけれど、そして、理解したいとも思っているけれど、相手の話がよくわからない時は、相手も自分の話していることがよくわかっていないのです。
なので、相手の言葉を鏡に写すように、その言葉をくり返し、この感じであっていますかと確認しながら、相手の本当に話したいことへ案内するのが傾聴なのです。
例えば、相手が話したいことがあって、結論はまだ見えてないけれど、なんとなく言語化している時。「このニュアンスで大丈夫ですか?」とくり返し、確認していきます。すると、「そうです。この感じです。こっちではなく、このことを本当は言いたかったんです!」となります。
このモヤが晴れた感じが、傾聴なのではないでしょうか。相手のモヤを晴らして、本当に言いたかったことに導き、すっきりさせるのも傾聴のひとつなのです。
岩松正史さんの「心理学に学ぶ鏡の傾聴」には、傾聴の基本が書かれていました。
岩松正文さんは、公認心理師、臨床心理士で傾聴を専門に18年間カウンセラーをなさってきました。このご著書は、一見簡単ですらすら読めるかなと思いましたが、奥が深く、わかりやすく書かれていますが、きちんと読まなければわからない本です。
この本を読むことによって、傾聴ってどんなものかがわかり、傾聴についてもっとしりたいと思い、岩松正史さんの他のご著書や情報発信、他の傾聴本も読んでみたくなりました。
自分と考え方が違う人はたくさんいます。
逆に自分と価値観の違うひとがほとんどなのではないでしょうか。その人が話す言葉をよくわからないと言ってしまうのは簡単です。
でもその人に少しでも興味があるならば、理解したいとは思わないでしょうか。相手の話を「このニュアンスで大丈夫ですか?」と確認しながら、お互いの認識のズレがないように会話をしていくのです。
いつでもそのような気持ちで、相手も自分もじんわりとあたたかい気持ちになれるようなズレのない会話をしていきたいものです。
鏡にうつった自分

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